5184 ニチリン(東2) 2199円 +32円
来年、FRBが利上げペースを遅らせるか、あるいは一時的に停止するような事態になると、通貨防衛のために利上げをせざるえなかった新興国が、国内景気刺激のために利下げに転じることが可能となります。そのような地合いになれば、東南アジアやインド、豪州などをメイン市場にしている企業にとり朗報となるはずです。来年はアジアの世紀と考えています。そのアジアで二輪車のブレーキホースや自動車ホースで高いシェアと競争力を有する同社にとっても朗報となるはずです。第3四半期は売上6%増462億円、営業益1%減62.8億円、経常0%減64.3億円、純益3%減35.6億円、一株純益248円。これを受けて12月通期を微修正。売上595→625億円(前期593億円)、営業益85→86億円(前期85億円)、経常85→88億円(前期86億円)、純益50→48億円(前期48億円)、一株純益348円→334円。修正の理由を読むと、第3四半期は日系メーカーのセダン向けの二輪車用ブレーキホースは少し減少してものの、アセアンにおいて二輪車用ブレーキホースの需要堅調で売上は上方修正。第3四半期の利益は利益率高い北米向けのパワステ用ホースの受注減と、アセアン地域の為替が影響して前年並で着地と。やはりアセアンの為替が落ち着くと利益が拡大できることがこの修正の理由から判断できます。通期に関しては売上は順調の予定で、利益はニチリンベトナムの増産のための工場建設と跡地活用のために3億円の減損処理を計上するためと。また事業移転に伴う経済補償金の計上は来期とのこと。一株純資産は2228円。配当は2円増配の50円の予定。セグメント状況は・・・・①日本→国内向けも中国、アセアンの輸出向けも堅調。また新製品のIHX(内部熱交換器)も10月から量産を開始。売上239億円、営業益16.5億円(前期は17.2億円)。②北米→日系メーカーの得意としたセダン車の販売が減少して減収減益。売上89億円で営業益は3.8億円(前期6.2億円)。③中国→増収でわずかに増益。売上88億円(前期79億円)、営業益13.8億円(前期13.4億円)。④アジア→二輪車用ブレーキホース販売増。新製品のフューエルホースの販売堅調。売上114億円、営業益27.3億円(前期26.8億円)。増収増益。⑤欧州→売上44億円、営業益0.2億円。⑥感想→サプライズなどのインパクトこそないものの、安定度抜群の収益構造です。更に中国やアセアンの営業利益率は抜群。ベトナムの新工場稼働や、中国政府の景気テコ入れの恩恵、アセアン通貨の落ち着きなどの間接的な好材料を受けて、来期も緩慢ながらも増収増益を確実に続けることが可能と判断します。買い推奨再開します。また12月もし中国関連の見直しの動きが本当に生じれば急伸するかも。同社もどこからどう見ても中国及び東南アジア関連株ですから。まず打診買い。本格買いは日足の陽転の2370円以上で引けてからとし、日足の最後の抵抗線2500円回復で完全に強気買いに。50週線2584円回復の2600円以上引ければ心おきなく強気買いに。目標は再設定し、目標株価Ⅰ【短期目標①2350~2400円(週足陽転・レシオ7倍強)②2700円(レシオ8倍・週足完全陽転&雲抜け)③3000円(レシオ9倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①3000~3100円(レシオ9倍・18年高値3185円)②3300~3400円(レシオ10倍・17年上場来3438円)】とし、通期を確認してから再設定することとします。SP。