8014 蝶理(東1) 2093円 +46円
文句なしの第1四半期を発表しながら、その発表で付けた7月高値(7/26高値)2190円をいまだに更新できずにいます。また同社の週足チャートを見ると17年初めから延々と2000±100円のレンジで持ち合いを形成し続けています。本来なら持ち合いレンジをブレイクとなり07年高値2500円を更新しておいてもおかしくないはずなのですが、同社は半導体や電子部品株と同じで中国関連株。元は繊維商社ですが、化学品機械事業も展開し、特に海外事業は日中貿易のパイオニアと自負するほどに中国貿易で高い専門性と競争力を保持しています。それが株価にあだとなり、文句なしの第1四半期のスタートを切りながら、半導体、電子部品、機械株と同じように、中国経済の先行き不透明を警戒して本格反転本格上昇にいまだに至れずにいるということになります。第1四半期では特段追加コメントするような点もなかったので今日は同社の中期経営計画を紹介します。(1)数値目標・・・・18年度(19年3月期)は売上3000億円で経常78億円。その今期の予想は売上3400億円、経常80億円。つまりすでにほぼ前期で1年前倒しで数値目標を達成済みということです。来期(19年度)は売上3300億円ですでに今期で目標を前倒しで達成する予定で、経常は85億円。もし中国経済が減速せずに底堅いなら、来期の経常数値目標も1年前倒しで達成する可能性があるということになります。(2)繊維事業戦略・・・・①素材から縫製まで一貫型ビジネス強化。②3本部制導入して最適化経営体制構築。③日本・中国・アジア・米国・中南米・欧州の世界6極体制確立。④グローバルSCM拡充。⑤中国アセアンビジネス拡大。⑥中国とインドネシアの生産基盤強化。⑥企画提案力の強化などを挙げています。(3)化学品機械事業戦略・・・・①中国・チリ・ドイツでの事業投資の実行。②ファインケミカル・コンデンサ材料・加工食品などのコンバージョン力強化と深化。③環境商材や二次電池、医薬品原材料など新規事業開発。④中国及びアセアン事業のさらなる拡大。⑤子会社群の拡充。(4)事業戦略の印象・・・・一言で言えば地味です。しかしだからこそベスト。同社の実質親会社は東レです。その東レそのままに、繊維商社から逸脱して化学品機械を扱い中国ビジネスで高いシェアを獲得するまで成長しています。地味な印象の中期経営計画と事業戦略ではあるものの、1年前倒しで目標を達成していることから考えても、中期経営計画の戦略は大成功を収めていると考えて良いはずです。ならば最終中期経営計画の数値目標である22年度(23年3月期)の売上4000億円、経常130億円の達成もすでに視野にとらえつつあるものと判断します。ちなみに今期で3期連続の最高益更新です。ならば本来06年高値3750円をうかがうレシオ15倍の3100円前後ないし3000~3500円に株価は位置していてもおかしくないと考えます。打診買い。今週高値2115円を抜けば心もち強気買い。7月年初来高値2190円を抜いて引ければ上げ本番入りと考え迷わず強気買いとします。7/25(買い推奨開始・上々の第1四半期・概況とセグメント状況と感想・目標設定)。目標株価Ⅰ【短期目標①2150円(5月年初高値2150円)②2250~2300円(レシオ11倍)③2450~2500円(レシオ12倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①2500~2600円(今期EPS215円予想しレシオ12倍)②2800円(今期EPS215円予想しレシオ13倍)】は微修正し、目標株価Ⅰ【短期目標①2450~2500円(レシオ12倍・07年高値2500円)②2700円(レシオ13倍)③2900円(レシオ14倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①2900~3000円(今期純益55億円EPS225円予想しレシオ13倍)②3150~3200円(今期純益55億円EPS225円予想しレシオ14倍)】とします。SP。