3454 Fブラザーズ(東1) 1461円 +42円
昨日、横浜銀行から信託受益権(不動産)取得のために20億円の借り入れを行ったと発表。借入期間は10年。スルガ銀行の不正の問題で銀行から不動産企業(特に新興企業への)への融資がきつくなって来たのではと市場が警戒していますが、地銀の雄の横浜銀行のこの融資姿勢を見ても、同社にはそのような資金確保に対しての警戒感など皆無ということがわかると思います。またもう一つ、品川区の賃貸不動産の売却が成功したとも発表。資金の回転も順調ということでしょう。第2四半期資料を。(1)第2四半期業績・・・・売上総利益36.8億円、営業益30.4億円、経常28.5億円、純益17.9億円。自己勘定で投資した賃貸不動産の売却が進み、前期を大きく上回る数字で着地し、最高益更新の今期計画に対して純益の進捗は63.9%だったと。暗に上方修正をにおわせているように感じました。(2)自己勘定投資(投資銀行)・・・・バリューアップを終えた物件11を売却し前期を大きく上回る30.9億円の売却益。また新たな取得は中小物件を中心に68.5億円(4件)を取得完了。売却先行でポートフォリオ残高は減少していますが、下期に複数の物件を集中的に取得して残高拡大の方針とのこと。これはインテリックスと同じ戦略です。長い目に見れば、景気の踊り場になった今の時期に新たな物件取得を本格化する戦略は同社もインテリックスもベストだと思います。(3)ファンドビジネス(投資運用)・・・・物件の取引額が高止まりしているから新規のファンドの組成は見送ったとコメント。良い判断です。上記と同じで、儲けが出るかどうか不透明な物件を取得するより慎重な姿勢で物件の取得を進めた方がベストです。賢明な判断。ただし期中に運営業務は受託に成功したために受託資産残高は87億円増。(4)財務戦略・・・・自己勘定投資は借入レバレッジを最大限活用するものの負債&金利変動リスク等を十分にコントロールして行うことを徹底。上期の時点でレバレッジ水準(借入金残÷賃貸不動産簿価)は86.6%。十分に含み益が乗った状態です。借入金の平均残存期間は20.8年で金利固定化比率は65.3%。新興企業ゆえに積極的なレバレッジで攻めの一手の経営をやっているかとも思いましたが、下手な地銀やファンドよりもよほどに財務は健全でかつ堅実な運用です。推奨しておきながら言うのもなんですが、「正直見直しました」。この堅実さや真摯さこそ重要です。この堅実さがあればこそ、クライアントからの高い信頼を集めそれが息の長い業容拡大業績拡大につながるはずです。(5)第2四半期トピックス・・・・①自己勘定投資→上記の通り残高はほぼ初と言って良い減少。前期末の280億円から253億円に減少しています。簿価は287億円から261億円に。時価は340億円から300億円に減少し、含み益は53億円から38億円に減少。しかし、この時期の減少は悪いことではありません。再び残高は拡大を始めることでしょう(良い物件を見極めて慎重に取得を進めると思います)。ちなみに残高は減少しても利回りは期末の6.1%から6.5%と再び高水準に回復しています。良いこと。②ポートフォリオ入れ替えのために物件売却→売却額は125億円(前下期の2倍)、売却粗利は30.9億円(前下期のこれも2倍)。文句なし。③販売費のカバー率→上期の賃貸粗利は6.1億円で販売管理費のカバー率は91%。前下期は101%で販売管理費が粗利をオーバーしていた状態をベストな状態に戻したということです。良い施策でした。④資金調達状況→借入金も前期末の243億円から226億円に減少。レバレッジや加重平均残存期間など資金の調達状況は堅実かつ健全そのもの。(6)感想・・・・第2四半期の内容は文句なし。堅実経営を堅持するために、物件売却を促進させて新たな攻めの態勢を構築中ということです。数字も内容もほぼ満点の事業内容だったと判断します。本日の陽線で日足はすべての抵抗線を払い終えました。週足は雲を抜け出して最後の抵抗線である完全陽転1480円抜けまであと1円の1479円まで今日は上昇。週足もほぼすべての抵抗線を払い終えたも同然。月足最後の抵抗線は完全陽転の1473円。これも払い終えたも同然。つまり株価は1月上場来高値1768円更新に向かい始めたと考えます。明日から完全に強気買い開始とします。7/20(買い推奨開始・文句なしの第2四半期・概況とセグメント状況・バランスシート・目標設定)。目標株価Ⅰ【短期目標①1550~1600円(レシオ8倍)②1750~1800円(レシオ9倍・1月上場来1768円)③1950~2000円(レシオ10倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①2000円(レシオ10倍)】。投資銀行らしい業容変身や業績拡大を確認すれば再設定します。SP。