6966 三井ハイテック(東1) 1464円 -56円
買い推奨ではありません。しかし12月の第3四半期発表を終えれば買い推奨を行う予定です。本日、第2四半期と1月通期を下方修正しました。第2四半期下方修正の数字に関しては各自確認してみてください(経常と純益は上方修正)。1月通期は売上870→850億円(前期787億円)、営業益15→8億円(前期21億円)、経常15→10億円(前期18億円)、純益10→7億円(前期19億円)、一株純益26円→18円。下方修正する前でも私には買い推奨できないのに、下方修正してしまえば尚のこと買い推奨はできません。しかし、驚くことにこの数字ほど中身は悪くないのです。下方修正した理由は、スマホ向けの半導体の在庫調整の動きがまだ継続しているために今期中にスマホ向け半導体やリードフレームの回復が遅れるとみられることと、積極的な設備投資を行ったために稼働率の低下から減価償却費用が想定以上に増加しているためとのこと。しかし、この2つのマイナスに関しては、秋以降にアイフォン新機種発売などの影響で徐々にスマホ半導体の在庫調整の動きが収縮して年末年始にはタイト化して収益回復となるでしょうし、設備投資のピークも通過してから、来期には減価償却費用も減少を始めるはずです。ならば、来期にはⅤ字回復する可能性が大となります。しかも、セグメント状況で低調なのはこのスマホ向けだけの状況です。最初に同社の下方修正を見た時に、鈴木、パンチ工業、エノモトなど金型&コネクタ&リードフレーム関連などの電子部品事業の業績も悪いかと意気消沈しかけたのですが、中身を見ると一安心。三井ハイテックの第2四半期のセグメント状況を見ると、営業益は前期比45%減の大幅減益なのに、①金型事業は営業益34%増の4.6億円。超精密金型がけん引して絶好調でした。売上は2%増37億円。この超精密金型のリーディングカンパニーは鈴木。三井ハイテックのこの金型の好調ぶりからすれば、やはり鈴木は足元好調と考えます。また精密金型を武器にリードフレームやコネクタ分野にすそ野を広げたエノモトも同じく好調と考えて良いでしょう。②電子部品が低調。しかし売上は8%増の222億円。増収なのに利益が出ないのは三井ハイテックの収益構造や基盤が脆弱である特殊要因。それに電子部品もスマホ関連の在庫調整だけが低調で、車載用は好調とコメント。ゆえに、この点からも鈴木やエノモト、パンチ工業などに関して、三井ハイテックの下方修正を過度に警戒する必要もないと考えます。それにです。電子部品等は総じて好調と判断します。それもこの三井ハイテックの第2四半期から。セグメント③の電機部品の業績は売上164億円でセグメント益29%増の14億円とこれも金型事業同様に絶好調。しかも7月から車載や家電のモーターコアの量産化をカナダで開始して、来年2月には国内岐阜にて量産化も開始。この点からも来期の同社のⅤ字回復はほぼ確実。ではなぜこれだけ内容が好調なのに下方修正する必要があるのかというと、これも三井ハイテック独自の理由から。前第2四半期のセグメント益合計は22.2億円でそこから全社費用9.6億円を差し引いて営業益は12.6億円。今第2四半期のセグメント益合計はというと20.7億円。前期から2億円未満の減益に過ぎないのに、全社費用は前期4億円以上も多い13.8億円で6.9億円。減価償却費用等の増加で一時的に大幅減益になったということです。鈴木やエノモトなどは三井ハイテックのように減価償却費用が激増して営業費用(全社費用)が激増するようなこともありませんから、この三井ハイテックのセグメント益合計は前期並みで着地できている収益の底堅さの方を評価して、鈴木もエノモトも好調であろうと考えておいて良いでしょう。それに三井ハイテックが通期を早めに下方修正したのは、スマホ関連の収益回復が秋以降ではなく年明け以降になると予想したからでしょう。私は電子部品関連などは第4四半期で前期比増益に転換する予想と言ったように、会社の想定より収益回復や収益拡大が後ずれしているということです。ですから、大幅な下方修正したこの三井ハイテックも次の第3四半期発表後には強気で買い推奨開始する予定でいます。