6785 鈴木(東1) 848円 +28円
テクノスマートやエノモトなどと同じ地味な会社の地味な決算資料を。6月通期資料となります。(1)成長の軌跡・・・・・2001年の店頭上場以来前期の売上271億円は上場来最高の売上を記録。営業益も08年6月期の上場来最高益17.8億円を大幅に上回る21.9億円を記録。(2)損益計算書・・・・・①部品セグメントは電子部品コネクタがスマホ向けに需要増となり、自動車電装品向け部品コネクタも堅調な売上を維持。機械セグメントは各種の自動機器が販売好調。すべての項目で文句なし死角なし。(3)セグメント情報・・・・・①金型→高機能端末向けコネクタ用、車載コネクタ用を中心に堅調で売上4%増16.5億円。②部品→電子部品コネクタは自動車及びスマホ向けに堅調。自動車電装部品コネクタも堅調維持。売上12%増の210億円。③機械器具→車載関連と医療関連の自動機器装置が好調で、医療組立も計画通りに進捗。売上26%増43億円。(4)技術の深化・・・・・同社もTOWAと同じです。独自に開発した微細化技術と精密金型技術を融合して自動車電装化向けをはじめスマホや自動車全般に向けて同社独自のコネクタを提供しています。同社の微細プレス加工技術は通常の電子コネクタの10分の1サイズのマイクロピッチコネクタ。更にそのための微細化に必要な工具まで独自開発しています。またそのビアホール加工・金属充填・カシメの3つの加工工程を1工程で終わらせるインプラント加工も開発。また微細化を連続加工させる技術を開発して更に異なる素材の複合加工プレス技術も開発しました。これら一連の技術から生み出される製品(部品コネクタ)は極めて競争力の高い製品であることは言うまでもないことです。(5)新規事業・・・・・この独自技術をもとにして同社もエノモトと同じで新たな車載ビジネスに参入。ティア湾向けの車載部品(2次電池部品向けも含め)を開発して販売を開始。今期は0.03億円の売上予定ですが、来期はいきなり4.5億円の売上を計画し、再来期には10.2億円の売上、22年6月期に13億円の売上、23年6月に19億円の売上を計画しています。更にすでに収益貢献を始めた医療組立事業ですが、カテーテル関連の医療器具の生産が前期9.7億円の売上から今期14.1億円、来期16.5億円、再来期17.9億円と拡大の一途となる計画。利益率も高いために、これからの利益拡大を誘発させる可能性が大です。また今後も市場拡大となるLEDチップ市場を攻略するために、自社ブランドで開発したLEDフリップチップ実装機の試作機の製造を開始し開発は現在最終段階とコメント。この量産型試作機は業界最速のLEDフリップチップ実装装置で業界初ウエハーダイレクト工法を採用し業界唯一のACP接合専用設備を持つ優れモノの製品とのこと。海外のメーカーを中心にすでに実装テストを各方面から開始していると。来期以降にはこの新規事業も業績寄与を開始するでしょう。(6)今期予想・・・・・既存事業が拡大局面にあり、新規事業も収益貢献がまさにこれからというのに、同社の今期予想は売上13億円増の285億円で営業益は7%減の20.2億円、経常11%減19.5億円、純益8%減の10.8億円。新規事業の立ち上げ費用を考慮したのかもしれませんが、既存事業がまさに絶好調で拡大期入りとなっている以上、その先行費用を吸収して今期も増益に転換して2期連続の最高益更新になれるものと予想します。そして朝のテラプローブと同じで、同社のこれからの成長拡大も必然と十分に判断できる文句なしの内容の決算資料内容だったと断じます。1428円の年初及び上場来を大きく更新して1500~2000円レンジで活躍することになれると考えます。1500~2000円での活躍は来年にはなるかもしれませんが。前場で申し上げたように900円回復から心おきなく強気買いを開始するつもりで。前場のコメントを。