6300 アピックヤマダ(東2) 343円 +7円

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同社のライバルであるTOWAと比較すると半導体のモールディング分野(封止分野)における優位性はTOWAの方が上であることは確実でしょう。しかし、技術が上だからすべてが上というわけでもありません。同社が世界最大の台湾TSMCに提供したFOWLP「InFO」積層パッケージも専門家が見るとTOWAの開発したコンプレッションモールド方式と類似しているとのことです。ではなぜTSMCは世界トップの開発技術を持つTOWAの技術ではなく同社の技術を採用したかというと、第一には採算性の面から同社の技術や製品の方が魅力的だったということでしょう。そう考えると、開発力技術力で劣っても十分にTOWAと伍することが同社もできるということです。しかも、TOWAはサムスンからの受注獲得に熱心な模様ながら、同社は中国新興企業からの引き合いが高まったいるとのことです。その点からも十分にTOWAと競争競合できると考えます。また同社もTOWAなどを意識しながら他社との差別化をすすめてはいます。TOWAは世界的技術の優位性から巨大大判パネルモールディングをはじめ、スマホ向けIoT向け車載向けなど幅広い分野に製品開発領域を広げています。しかし、会社の規模に限りのある同社は現在、最も有望な市場である車載向け製品に集中して製品開発を進めています。その戦略製品が電気自動車のモーター搭載車両のパワー半導体のモールド需要増に対応すべく開発製品化した大型モジュールモールディング装置「GTM-170T」や高速デバイスマウンタ「ADM-2000」など。同社は成長に向けて経営資源を集中する分野と車載向けパワー半導体やセンサー分野に絞りモールディングや実装機の開発販売を強化拡充中です。この差別化戦略は良。TOWAに開発力で劣っても十分に同社も成長拡大を手にすることができると考えます。また同社のもう一つの強みはこだわりのなさです。TSMCへの技術提供が物語るように、中国や台湾企業とそそくさと協業や提供を行います。半導体などのハイテク技術を囲い込みたい中国にとって、TOWAは無理でも同社を囲い込むことは可能と考えはずです。テラプローブに続き、同社は今後中国や台湾企業と資本業務提携する可能性だったありえるかもしれないと思います。いずれにしても、総合的に考えても十分に水準訂正相場が期待できるはずです。ただし本格買い強気買いは朝のコメント通り25週線364円を完全に回復してから行う予定で。