6300 アピックヤマダ(東2) 320円 +11円

6300 アピックヤマダ(東2) 320円 +11円

第1四半期は赤字で着地で失望を余儀なくされたものの、同社の第1四半期経営成績に関する説明での発言を信じるならば、今後の業績回復を期待して良いことになります。では、売上計上(成約)や納期の問題は次のこととして、同社の言うように本当に受注は活発で引き合いも多数寄せられているのかという点が注目です。私的に考えると多分、会社のコメントは嘘ではないと思います。同社の有力顧客の一つは確かTSMCのはずです。この台湾のTSMCは世界最大の半導体製造ファウンドリ企業です。そのTSMCアイフォン7向けに提供した新アプリケーションプロセッサーの製造の際に導入したFOWLPは同社の技術を活用したものでした。ならば、同社のWLP(ウェハレベルパッケージ)用コンプレッションモールド装置などの受注が今後TSMCから期待できると考えて良いと思います。またそのTSMCは14日に工場建設や製造新技術導入のために4900億円を予算を投じると発表しています。この大規模な設備投資費用の幾分かは同社の受注に振り分けられることが期待できると思います。更にアップルは秋にも新機種の発表を行います。そのアップルの新機種製造に向けて今回もまたTSMCが半導体の供給を行うことになるはずですから、その流れからしても同社も新型アイフォンの発売を機に、TSMCからの受注が本格化するのではと期待しています。また同社は東証に改善状況の報告書を提出しています。これは昨年、不適切な会計処理が行われたからです。粉飾決算というには少しお粗末で、通常売上は製品等を納入検品してから計上するものですが、契約(成約)したものを早々計上して決算処理していてお咎めを受けました。悪意に満ちたものではないもののコンプライアンス意識が極めて低いということでお咎めを受けることになりました。この点から、今期の第1四半期を見てもコンプライアンスに留意して、納入検品をしっかりと終えてから売上計上する決算処理にしっかりと転換している点は赤字でも前向きに評価して良い点でしょう。それに同社は地方企業でありながら、エノモトや鈴木あるいはワールドHDなどと違い決算予想がこれまで強気でした。そのたびに最終的に未達となり失望売りにさらされ続けてきました。しかし、コンプライアンス遵守への経営姿勢への転換などを契機にして、堅実な経営姿勢と安定した収益性を重視した企業体に転換をゆっくとながら始めています。まだまだ、決算短信の中身は強気や自信のコメントが並んではいるものの、それは自社製品への自信の裏返しと少しは大目に見ておいて良いと考えます。そしてそのために中期経営計画を5月に公表。上記に記載したようにWLP用コンプレッションモールドのスマホ向けCPU等先端パッケージに採用(TSMCとアイフォン7のこと)されて成功したものの、生産体制の変革など多くの課題を積み残したままとして、新中期経営計画では、①基本戦略として→利益体質への転換、事業基盤再構築と収益成長実現、②基本方針と施策→生産性と品質の大幅向上、強み強化と再構築、海外とのシナジー、人材育成と企業風土改革などを行うと発表し、③数値目標を→18年度(今期)売上1260億円営業益4.8億円、19年度売上133億円営業益8億円、20年度売上150億円営業益12億円と掲げました。地道に一歩一歩地歩を固めながら成長する方針です。遅まきながらやっと同社も地道に成長を開始したワールドHD、エノモト、鈴木、nmsなどと同じ立ち位置に並びかけたことになります。そして、第2四半期以降に業績回復を目にすることができれば、地道な成長が始まったと判断して、株価はサプライズを起こすことになると考えます。第2四半期は黒字転換する必要はありません。会社の予想の営業益0.2億円の赤字で十分です。0.2~0.5億円の赤字でも、7~9月で営業益3億円を稼いだことになれます。ならば、通期予想の営業益4.8億円の達成を現実視することになれます。7~9月で営業益3億円前後を稼ぐことができれば第2四半期赤字でも文句なしの決算と考えて良いでしょう。そうなることを内心期待しています。まだボトムの只中ゆえに打診買い程度。25日線342円回復の345円以上で引けてから新規もナンピンもゆっくりと本格買い開始するように。8/8(部材調達困難解消は目前では)8/7(残念な第1四半期・概況/経営成績に関する説明&セグメント状況と感想・部材調達長期化で受注堅調でも納品に遅延発生し減益・好調な受注を考えれば下期にサプライズ決算を目にできる可能性も・目標据置)7/19(インスペック同様に半導体関連装置受注好調の可能性・第1四半期は赤字スタートが恒例ながら今期は様変わりの可能性も・高単価好採算の大型製品受注で業績急拡大も)6/14(資料同社の戦略/基本戦略&数値目標&生産性等の向上&強み強化&受注残について)6/5(第2弾資料/アピックヤマダの戦略を紹介)5/31(今期計画と中期経営計画/業績計画&今期上方修正する可能性も)目標株価Ⅰ【短期目標①480円(レシオ15倍・25週線)②530~550円(レシオ17倍・週足完全陽転)③600~620円(レシオ20倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①620~640円(レシオ20倍)】は微修正し、目標株価Ⅰ【短期目標①400~410円(週足陽転・レシオ13倍)②450円(レシオ14倍)③480~500円(レシオ15倍強・50週線回復)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①500~510円(レシオ16倍)②545~550円(レシオ17倍)③580円(レシオ18倍)】とし、引き続き業績回復を確認して強気に再設定する方針とします。ちなみに今後中期経営計画の数値目標の達成を確実と判断できれば最大目標を06年高値983円に向けて引き上げる可能性もあります。ただしまだ今は夢のまた夢の只中ですが・・・・。SP。