7898 ウッドワン(東1) 1326円 -7円
あまりの閑散にコメントするのはまだまだ先でも良いと思ったものの早めに。第1四半期はよくありませんでした。住宅着工件数の低迷をもろに受けて低調。しかも同社の場合は海外の不採算事業からの撤退などのマイナス要因がまだ続けているために大幅減益。第1四半期は売上4%減154億円、営業益90%減0.5億円、経常0.7億円赤字、純益0.4億円赤字。前期は営業益経常ともに5億円台で純益も3億円台ですから、これではさすがに強気買いはおろか本格買いもすぐには出来ないほどよくありません。閑散なのも当然なのでしょう。ただ、この減益は決して後ろ向きの減益ではないと思います。前期後半の減益は負の清算などの後ろ向きの印象が強かったのですが、今回の減益はダイトーケミックスやnmsと同じように、次の高い成長を目指すための事業構造の再構築のために必要不可欠な減益と思います。経営成績に関する説明を読むとその点を感じとることができるはずです。26年度から第三の創業と位置付けて、フロー対応からストック対応に軸足を移して事業構造や製品開発を進めています。これはフロー(新築住宅やマンション)からストック(中古住宅やマンションのリフォーム)向けに商品供給の軸足を転換しようとしているということです。ただし、同社も同じくインテリックスと同じでストックビジネス戦略は文句なしながらコスト管理能力がイマイチなために、安定した収益確保の元で構造改革を遂行できずにいるということです。しかし、同社もインテリックスもまた安定的収益確保の中で構造改革に成功しつつあるダイトーケミックスも、そのうち構造改革の成果となる十分な利益を目にすることになれると信じています。早ければ今期の下期あたりから。また、具体的な戦略として同社は、①非住宅とリフォーム分野での販売拡大、②ニュージーランドの大規模自社森林の無垢材を活用した付加価値の高い商品開発と提供、③職人不足解消した省施工商品開発、④ITインフラを導入した生産効率の向上。どれも文句なしの戦略。しかし、どれもまだ道半ば。ただし、第1四半期は赤字でも前期よりも前に進んでいるとは思います。著名な建築家の伊東豊雄氏を委員長にして空間デザインコンテストを開催して、ブランド作りと独創的商品開発を昨年から開始しています。また前期の減益の理由となったニュージーランドの不採算工場及び子会社の清算も終えて、国内外の事業再編や収益体制の再構築が完成しつつあります。更にはニュージーランドの自社森林を活用した商品などの販路拡大のために、インドネシア子会社設立してその会社に新規設備投資などの先行費用を投下中です。これらの前向きな施策のためにこの第1四半期は赤字で着地したものと考えると、赤字ではあるもののダイトーケミックスの「米百俵」成長戦略と同じと考えて良いはずです。セグメント状況は・・・・①住宅建材設備→住宅建材も住宅設備も、これでもかと新商品を開発して市場投入を開始。いずれも成長戦略に則した商品で他社との差別化もできて売れてもおかしくないものの、4月以降住宅着工自体が低迷しているから道半ば。しかし、今後、同社のターゲット市場であるリフォーム分野向けに受注が拡大して売上も利益も回復してくれると思います。売上4%減の151億円、営業赤字0.08億円(前期は5億円黒字)。②発電→自社の製品から出る木材チップを活用したバイオマス発電。売上2%増2億円、営業益7%増0.6億円。③感想→同社は顧客が住宅やマンション会社であるために収益の季節性があり下期に利益が偏重します。ゆえに赤字のスタートでも会社の想定した売上663億円、営業益19億円、経常12億円、純益6億円、一株純益64円の予想に対して想定通りで進捗と判断して良いはずです。しかし、もしこの第1四半期が前期並みなら強い上方修正期待が浮上で来たと思うと残念です(営業益3~5億円)。構造改革が順調に進んでいる証となり下期に利益が激増する可能性があったから。17年3月期を見ると、第1四半期は1.6億円営業益でスタートし(経常純益は今期以上の赤字)、第2四半期は営業益10億円、通期純益は28億円で着地しました。もしです。第2四半期がこの17年3月期のようにⅤ字回復して着地することができれば(27年3月期と違い住宅着工が減少しているから27年3月期ほどの第2四半期は無理でも)、通期の大幅上方修正期待が強く浮上してくれます。その可能性はゼロではないはずです。第2四半期に期待しましょう。業績回復や拡大のためにすべきことを会社は避けずに地道に取り組んでいますから。5/12(地味な今期予想・概況・ニュージーランド不採算子会社清算し構造改革地道に遂行中・目標一旦弱めに修正)4/4(インドネシアで木材事業)2/13(NZギズボン工場閉鎖し減損計上・下方修正したものの今後逆に収益改善へ・NZの大規模森林これから伐採期入りへ・一旦目標修正)2/9(減益の第3四半期・概況・減益の理由を考察・目標修正・1500~1400円で買い場探し方針)1/26(今は立木(簿価)評価額程度の時価総額)1/24(NZ子会社工場再編強化実施・NZ大規模植林伐採期到来で収益一変の可能性・木材輸出企業に・今の時価総額はバランスシート上の立木分だけ・来年にも06年高値5920円トライの)1/15(ノダの合板事業絶好調ゆえ同社も右に倣へへ)1/9(S高してもPBRは0.4倍台・目標修正)1/6(断熱材需要から建材需要好調を予想・年末の日経商品情報から・1~3月建材価格騰勢強め木材バブルの可能性)検索チェック。目標株価Ⅰ【短期目標①1700~1750円(今期EPS100円予想しレシオ17倍・週足完全陽転)②1900~2000円(今期EPS100円予想しレシオ20倍・1月年初高値2027円)】~ 目標株価Ⅱ【2000~2200円(一株純資産4250円を評価し今期EPS100円予想しレシオ22倍)】はまだ収益回復が見えないからこのまま据え置きとします。収益回復が見えれば一株純資産4000円台に向けて最大目標を引き上げ開始します。SP。