6899 ASTI(東2) 2290円 -40円
ボトム離脱の動きを見せそうな銘柄も皆無ゆえに、いっそのこと第1四半期発表で見直し買いが始まると予想する同社を。スミダコーポや日産東京HD、メディシスなどは次の決算発表を契機に見直し買いの動きが出るのではと予想していますが、これら以外にも大半の今底値でのたうち回る好業績銘柄も同じく次の決算発表(7~8月)で見直し買いの動きが顕在化して上げ本番入りとなれると考えています。さて同社ですが、前期は11%増476億円、営業益12%増17.9億円、経常1%減18.4億円、純益1%減13.9億円、一株純益436円。経常以下が減益なのは営業外費用などが計上されたため。最終減益ではあっても上々の数字と判断して良いはずです。しかし問題は今期予想。地政学的リスクや米国保護貿易主義などの不透明要因を理由に減収減益の予想を発表しました。売上5.5%減450億円、営業益27%減13億円、経常27%減13.5億円、純益28%減10億円、一株純益313円。これではさすがに強気買いできません。しかしではこの減益予想がリアルな予想であるのかというと?。まず売掛金は前々期比2億円増の77億円で着地。第1四半期はまずまずのスタートを切れそうな感じがします。更に、保護貿易懸念とは言っても、同社海外拠点は米国ではなく中国です。更に東南アジアに進出してインドにも進出開始。確かに米国の中国たたきの影響はあるかもしれませんが、それがもしできるとしてもまだ少し先にならないとわからないと思います。ただ全く問題が無いかというと若干の不透明要因も。セグメントを見ると、①車載電装品は自動運転支援システムや電気自動車の普及を追い風にして同社のセンサや電子制御ユニットなどの受注絶好調。売上10%増336億円で営業益33%増12.5億円。また②通信・制御機器もIoT機器のこれからの普及や産業ロボットの底堅いニーズ、電気自動車の普及などの恩恵で、売上37%増41億円で営業益78%増2.9億円と同じく絶好調。しかし問題は③ホームエレクトロニクスです。洗濯機用の電子制御基盤は増収だったものの、中国子会社の業績が円安などの動きでなかなか安定していません。前期は売上こそ6%増の98億円だったものの、営業益は48%減の2.8億円。この③が上期は赤字になる可能性もあるかと心配しています。不安材料はその点だけ。そう考えると、今の時点では前期比で増益に転換することは予想できないものの、前期に並に向けて減益幅が縮まる方向で第1四半期等の発表になると予想します。つまり前期比並に向けての上方修正期待は浮上できると考えます。一株純資産は4822円。配当は未定。自社開発の車載用充電器やDCDCコンバータ、自社開発ワイヤーハーネス用部品などをすでに開発済みで、今期も拡販するとコメント。また超微細成形加工技術を活かして医療用マイクロデバイスを開発し試作品の納入を開始と。ベトナムに新工場建設に続き、インドに現地法人を設立して本格稼働を開始するともコメント。地道に成長できそうな内容です。ダイトーケミックスと同じで叩き過ぎ。今期の減益を予定したとしてもここまでは叩き過ぎ。一株純資産の半分以下ですから。本来ならレシオ10倍の3100円前後が下値であるはずです。叩き過ぎているから一旦3000円台に戻すと考え、ここで一旦買い推奨開始とします。しかし月曜の年初来安値2190円からまだ底確認もできていないから打診買い程度。本格買いは25日線2500円回復から行うものとします。2500円以上で引け出すとⅤ字で反転できるのではと予想します。目標株価Ⅰ【短期目標①2800円(レシオ9倍)②3100~3200円(レシオ10倍・5/17大商い高値5170円)③3450円(レシオ11倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①3450~3500円(レシオ11倍強)②3700~3750円(レシオ12倍)】とします。第1四半期を確認後に再設定する方針とします。SP。