6928 エノモト(東2) 1317円 +6円
中国株は引き続き大幅安で終えて、欧州株も下落からスタート。世界の株式市場が底入れする気配は残念ながら本日はまたもなし。明日も一段安を覚悟する必要がありそうです。そう考えると、とても資料解説どころの話でもありませんが・・・・致し方ありません。臥薪嘗胆で待つ以外に。通期資料を。(1)概況・・・・車載向け部品やIoTセンサー関連部品の需要が増加し、品質改善や製造工程自動化効率化の推進で製造コストの低減にも成功して、増収増益を成しえたとコメント。(2)概況(経常状況)・・・・総利益は付加価値の増加などの恩恵で6.9億円増の39.1億円に拡大し、販売管理費などの固定費は出荷増と販売市場の変更などのために2.6億円のコスト増で22.4億円。また円高や元高で為替差損が1.0億円発生し、経常は2.8億円増の16億円。上々です。しかし、まだまだ同社ならコストを絞り込むことが可能。更に足元は円安ゆえに今期為替差損の発生などが無いと仮定すると1億円以上の自然増益に。(3)売上と利益推移・・・・16年3月期以降この3期の売上と利益の推移を見ると、売上は191億円→193億円→221億円と順調に拡大。営業益も7.8億円→12.4億円→16.7億円と順調に拡大。営業利益率は4.1%→6.4%→7.6%と順調に上昇中。純益も4.8億円→9.3億円→12.4億円と順調。この分で行くと来期あたりは営業利益率が8.5~10.0%レンジ内にまで上昇する可能性。また今期の営業利益率は8.0%台に上昇すると予想できると考えます。(4)製品別業績概況・・・・①IC・トランジスタ用リードフレーム→車載向けに国内外ともに生産販売好調で推移した。②オプト用リードフレーム→LED部品が競技場や競馬場など大型ディスプレイ向けに堅調な需要で、アドアドバタイズメント用途や大型テレビ向けに好調。オリンピック開催などを控えて底堅い需要に成功したと。③コネクタ用部品→フィリピンで生産の車載用途好調。スマホ向けなども新規モデル向けに好調で推移したと。④感想→すべての製品が前期好調だったということ。文句なし満点の内容。(5)製品別の動向・・・・①IC・トランジスタ用リードフレーム→産業機械やサーバー等にIoTの需要拡大が今後も期待でき、自動運転支援システム普及で自動車の電装化も進むはずで、リードフレームの出荷数量の平均成長率は調査機関の調べで16~22年まで2.7%の成長であるとされているとのこと。これを踏まえて同社の立ち位置を再考してみると、同社の世界市場でのシェアは4.5~5.0%で、同社のターゲットはアナログIC、ディスクリート、パワー半導体用リードフレームであるために、今後も中長期的に堅調な成長を期待できるはずとの見通しを披露しています。②オプト用リードフレーム→オリンピック開催などに向けてインフラや大型設備投資の増大が期待でき、しかも今後品質重視の製品需要が喚起するとコメント。平均の成長率は15~25年まで9.3%と高い伸び。同社のこの製品群の世界シェアは約4%で、タテ型LED用リードフレームにおいては国内トップのシェアを獲得中。地味でもやはり文句なしと言うことです。③コネクタ用部品→スマホ部品は需要の変動が大きいと思うものの、車載用大型コネクタ部品は堅調に需要拡大を予想。世界市場の規模は16~25年に向けて年率で2.8%づつ成長するとの調査機関の推定。これを踏まえ、同社のこの製品は今後mpエアバックなどの車載用に順調に拡大成長を見込むと同時に、超精密コネクタ部品に関しては技術的要求度が極めて高いために新規参入が困難と思われるために、同社の超精密コネクタ部品は今後も受注増が期待できると会社はコメントしています。④感想→これだけ自分で好調な製品別需要状況を提示しているのですから、やはり今後、18年ぶりの最高益更新の今期予想は更にそれを上積みすることになると思います。つまり上方修正の可能性が大と会社も考えていると思っておいて良いと判断します。今期は売上2%減215億円、営業益1%増17億円、経常6%増17億円、純益4%増13億円、一株純益191円。(6)新規事業・・・・ガス拡散層一体型金属セパレータを開発して、山梨大学や山梨県と産官学共同で水素及び燃料電池関連の事業化を推進中。この新セパレータは従来と比べると非常に薄く安価に製造ができることが最大の特徴と言えると思います。まだまだ先のこととは思うものの、今後、新型セパレータの実用化量産化の目途がついたと発表する日も訪れることでしょう。(7)感想・・・・資料の内容は文句なしに満点評価でした。1335円を抜いてミニミニボトム離脱サイン点灯になる25日線1400円回復することを今は臥薪嘗胆で待つ以外にありません。お昼のコメントを。