今週と来週との2段階のヤマ場
私は先週、米中貿易戦争で時間的な余裕があるのは中国の方だと申し上げましたが、確かに政治体制が盤石な中国習近平の方が時間的な余裕はあると思っています。しかし、足元の経済状況では米国の方がはるかに余裕があるかもしれません。4~6月期の米国の成長率はなんと4%に達するかもしれないとの記事が今週出始めています。米国経済は、この貿易戦争のさなかにあって減税の効果から経済が更に拡大していることが明らか。これは多分欧州にも言えると思います。問題はここです。株価は世界的に下落基調を強めていますが、下落する株価とは正反対に足元の経済状況は米国や欧州は好調。中国や日本は5~6月減速の兆しが出たものの、概ね底堅い状況。貿易戦争というマイナス材料とは別にマクロ経済の状況はとても良いということになります。これが歪です。歪は投資機会の創出に違いないはずですから、足元の経済状況が堅調なのに悲観の中で下げる株価こそ歪で、それは投資機会に他ならないと考えます。また歪は更に。今日の日経新聞を隅から隅まで読むと、一部減速の企業はあっても、企業の設備投資意欲や財政状況など好転している様が一目瞭然です。マクロ同様、あるいはそれ以上にミクロ面では歪が大きくなり、それは天与に近い投資機会なのかもしれないということだと考えています。昨日も申し上げとうに米国は減税第二弾の準備を・・・と日経新聞が報じていますし、ナバロ米国家通称会議委員長が昨日報じられたような広範な投資制限の計画はなく、米国の技術が脅かされる可能性がある場合にそれを守るような投資制限で、中国に限定しているわけでもない・・・とインタビューに応えています。これらに関する米財務省報告書は29日に発表されます。ひとまずはこの29日の報告書の内容を市場が確認して安心感からの反転が来週から期待できると思います。また、最大の山場は7/6の関税発動。これを無事に通過ないし、米中双方の貿易協議が本格的に再開されるなどニュースなどで、市場は冷静さを取り戻し足元の経済状況の好調さを再び織り込み始める相場に戻り始めるのではと考えいます。