足元の経済は米中ともにまだまだ堅調
メルカリ上場を契機として今週のアク抜けに期待をかけたのですが(私だけでなくこう着状態にあった日本株全体の好転への期待は相当に高かった模様で、あちこちから怨嗟の声やレポートなどが)、昨日の地震に続き今日はトランプ関税のメガトン級の悪材料が突然発表となり、アク抜けどころか下抜けする銘柄が続出となっています。このトランプ関税の追加分22兆円で世界経済がどうなるか正直不明です。あちこちでこれに関してのレポートやコメントなどをず~と探してみて回ったのですが、納得できるコメントやレポートにまだお目にかかっていません。ただここで間違ってならないのは、将来に対しての不安や不確実性が高まっているということで、これまで(5月までの)米国やそして中国も経済状況は引き続き好調だったということです。先週までに発表となった米国や中国の経済統計の数字はほぼ絶好調を維持した状態でした。市場は、足元の好調な経済環境や業績と、将来の不確実性とのせめぎ合う持ち合いレンジを形成するのではと考えています。そのためには日経平均の下値は50週線21700円前後が支えると予想して、下値は22000~21700円レンジか、22000±150円ではと予想します。そして大事なことは、4月5月の時のように指数買いや先物買いの空中戦で日経平均が過度に上昇しないことです。4月3月の時にも言ったかもしれませんが、日経平均(指数買いやETF買い)が横行するからこのようないびつな下げをしてしまいます。日経平均が動かず、それぞれの個別株に買いが入るようになれば、相場全体が腰の強い相場に変化してくれるはずです。余談ですが、トランプ大統領のこの常軌を逸した行動ですが、全くの間違いかというとそうでもないような気もしています。そりゃ膨大な貿易赤字はいわば米国内のお金が中国や日本に簒奪されているのと同じことではあります。いくら国民が買うからとはいえ、為政者としては我慢ならないことでしょうし、経済的にも良いことでは当然ありません。これを是正しようとする行為そのものは正しいように思います。方法が過激ですが、しかしトランプ大統領はこの方法で成功しています。北朝鮮です。過激な方法で結局は米朝首脳会談を成功させて和平への道筋をつけることには成功しました。これと同じ戦略を対中貿易政策に応用しているのだと思います。確かにトランプ関税は常軌を逸した行動ではありますが、道義的にと言うべきか人の本来の行動としては、譲歩すべきは奪われた方の米国ではなく奪った方の中国であるべきではあると思います。この点から考えて、ひょっとしたら、北朝鮮問題の時と同じように、米中貿易協議などが早期に開催されて問題解決に向けてのスキームができてくるかもしれません。