4319 ＴＡＣ（東１） 349円 ＋3円
決算解説の続きを。（1）受講者数・・・・2015年3月期に一旦20万人を割り込んだものの、16年3月期以降は順調に拡大して前期の受講者数は21.9万人。特に注目はやはり6/7にも指摘したように法人受講者数です。利益率の高い企業向けの受講サービスが順調にというより急激に拡大しています。16年3月期から前期までの３期にわたる個人受講者数は13.5万人→13.8万人→13.6万人で推移しているのに対して、法人受講者数（企業向け受講）は6.9万人→7.3万人→8.3万人に拡大。前期は1年で1万人の大幅増を記録しました。これは企業が政府の支援もさることながら、企業自身が深刻な人手不足を背景にして既存の社員のスキルアップと高度化で乗り切るつもりだから。ゆえに、分野別の受講者増加は金融・不動産分野と情報・国際/医療福祉の分野と安定的人気度の公務員労務分野の増加が顕著となっています。この法人受講者数は今期も大きく拡大することでしょう。（2）前受金・・・・前期末は62.8億円。前々期からはわずかに増加。増加していることは良いことですが業績拡大を測る物差しになるとまでは言えないのでまずまずの材料。（3）個人教育事業・・・・①売上125億円で営業益は1.4億円。15年3月期の3.9億円の赤字から徐々に回復しています。がまだ14年3月期の営業益5.3億円まで回復するのは道半ば。優秀な講師陣への報酬を引き下げるわけには行かないから、他の面でコストを削減して採算性を向上させる必要があります。その方策として同社も通信やウェブを活用。教室系の売上は14年3月以降減少していますが逆に通信系やウェブ活用の売上は年々増加しています。コストのかかる教室運営を縮小してウェブや通信の比率を高めることに成功すれば、急激に収益が回復することになります。それに向けては今はまだ道半ばなれど良い方向性です。（4）法人研修事業・・・・文句なし。売上43億円で営業益は11.3億円。概ね営業益は11～12億円レンジでここ数年安定しています。社員教育のニーズが高いと同社もすでにコメント。今期も安定的に拡大してくれることでしょう。（5）出版事業・・・・売上は堅調。34億円と増収を記録。営業益は前々期の6.4億円から減益の5.9億円。しかし、不況が深刻な出版業界にあって34億円の売上で6億円前後の営業益を出せることは重畳です。減益でもこの安定した高収益を大いに評価して良いはずです。（6）人材事業・・・・売上7億円で営業益1.0億円。わずかにながらでも増収増益を3期連続で続けていますから文句なし。（7）中期的取り組み・・・・①新分野の講座や法人研修の立ち上げ開始。手始めに「電験３種」の出版を開始。今後講座や研修に進出する予定と。②千葉大学病院と連携して病院経営の教材開発を開始。③競争優位性を更に引き上げて圧倒的な競争力を手にするためにデータ分析してプログラムに反映させるとのこと。④規模の拡大のために買収や業務提携を推進すると。⑤感想としてはすでに圧倒的とも言える特異なビジネス確立していますから、これら地道な施策で着実に競争力を引き上げることができると考えます。（8）今期予想・・・・売上212億円、営業益0.7億円増の9.1億円、経常1.4億円増の8.8億円、純益1億円増の5.5億円、一株純益29.7円。同社の競争力や様々な施策から考えても、今期予想の達成は確実視して良いと思います。更に上方修正する可能性が高いとも考えています。上方修正しなくても今のレシオは11.7倍です。同社のビジネスモデルならレシオで15～17倍に評価して良いはず。新たなビジネスモデル（ソリューションや学校経営など）を構築するようならレシオ20倍の評価を付与することも可能なはずです。まずはレシオで15倍で17年高値416円更新となる450円前後を目指して、値ブレに注意しながら静かな強気買い辛抱強く続けてみてください。前場のコメント通り先週の375円を抜くと長大陽線（週足）連続して上げ始めると思います。前場のコメントを読み直してください。目標株価Ⅰ【短期目標①360円（レシオ12倍）②390～400円（レシオ13倍強・17年高値416円）③440～450円（レシオ15倍）】～ 目標株価Ⅱ【中長期目標①450～470円（レシオ16倍）②500～510円（レシオ17倍）】は今日の高値356円で短期目標①を指呼にとらえているので早めに修正し、目標株価Ⅰ【短期目標①390～400円（レシオ13倍・17年高値416円）②440～450円（レシオ15倍）③480円（レシオ16倍）】～ 目標株価Ⅱ【中長期目標①480～500円（レシオ16倍強・14年高値499円）】とします。引き続き業績拡大確認すれば最大目標引き上げ再設定します（特異ビジネスモデルゆえレシオ17～20倍に評価し直し）。ＳＰ。