6300 アピックヤマダ(東2) 443円 +43円
来週でも間に合うと思いましたが、テラプローブなどと同じく半導体関連株の強い物色の流れに乗って本日大幅高。同社は半導体製造工程にとって重要な樹脂封止成形装置の開発製造の会社です。本来、パワー半導体や微細化半導体の製造の際にはこの封止技術が重要になって来ますが、その技術を持ちながらなかなか業績回復ないし拡大することができずにいました。前期は売上14%増126億円、営業益26%減2.9億円、経常37%減2.4億円、純益86%減0.4億円、一株純益3円。売上は順調でも採算性が低くコストコントロールも下手なために減益を余儀なくされていました。注目の今期予想は売上126億円、営業益63%増4.8億円、経常96%増4.9億円、純益7.5倍の4億円、一株純益32円のⅤ字回復の予想を発表。問題はこのⅤ字回復が実現可能でリアルなのかどうかという点です。十分可能ではと考えます。それは同社を取り巻く環境の好転とともに、同社が開発して来た製品群のこれからの需要の伸びへの期待です。経営成績の概況を読むと・・・・同社の製品の供給先である半導体業界は中国をはじめとして大規模な設備投資が本格化し、自動車の高性能化や電装化のために電子制御装置やセンサー、インバーターなどの需要が拡大している。そのために車載向けの半導体の需要が急拡大を見せているとコメント。そして同社は今後の車載半導体の需要増を想定して、戦略的製品として車載向け大型モジュール用モールディングシステム「GTM-170T」や高速デバイスマウンター「ADM-2000」などを開発製造してすでに好調な受注が始まっているとコメントしています。また次期戦略製品としてスマホ向けのWLP(ウェハーレベルパッケージ)用コンプレッションモールド装置「WCM-300L」はスマホ向けのCPU最先端パッケージや新メモリ向けに活用され始めたともコメント。これらの製品群が多くの半導メーカーから引き合いをいただいているとコメント。ただし、中国でスマホの在庫調整の動きが発生したために、設備投資開始の遅れ(受注の遅れ)が生じて前期は減益だったとコメントしています。この言葉を信用すれば今期のⅤ字回復は疑う必要はないでしょう。ざっとセグメント状況を・・・・①電子部品組立装置→車載向け好調。スマホ向けは本格売上計上が今期にずれ込み。売上14%増108億円、セグメント益22%減8.8億円。②電子部品→半導体向けリードフレームには底打ち感。また不採算工場も閉鎖して、売上1%減11億円、セグメント益は0.9億円赤字(前期は1.8億円赤字)。③その他→車載用半導体向けリード加工金型好調。売上42%増6億円、セグメント益90%増0.8億円。④感想→今期のⅤ字回復を予感させる点を評価して合格点を付与します。少し飛び過ぎたようだから週明けは打診買い。強気買いは75日線420円接近の場面と、今日の高値461円抜けで行うものとします。今日75日線420円を抜き、ボトム離脱と上げサインを点灯させました。押せば強気買いです。目標株価Ⅰ【短期目標①480円(レシオ15倍・25週線)②530~550円(レシオ17倍・週足完全陽転)③600~620円(レシオ20倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①620~640円(レシオ20倍)】とします。業績拡大を確実と判断すれば最大目標を1月年初来高値695円ないしそれ以上に引き上げる方針とします。SP。中期経営計画を公表済みですが、来週に紹介いたします。