4366 ダイトーケミックス(東2) 645円 -30円
今期も減益なのかと思うと同社の経営陣を恨みたくもなりますが、しかし、ものはとらえようかもしれません。同社の経営陣は本当に将来のことを考えて、『米百俵』の精神であえて減益にしていると思うからです。最高益更新をしようと思えば前期も今期も容易にできたはずです。本当なら、前々期から続く3期連続の最高益更新でもおかしくなかったということです。なぜか。28年3月期に2億円の設備投資を最高益更新した29年3月期には8億円に増額。増額して最高益も大したものですが、安定した業績を背景にして前期は更には設備投資を増額して11.5億円前後に拡大。この拡大した分の2.5億円と、同じく拡大した研究開発を合わせると3億円以上にはなるはずですから、もし前々期比並に設備投資や研究費用を抑制していれば営業益は14.5億円前後で最高益を大幅に更新できたということになります。更に問題は今期。もう一巡すると考えた設備投資を更に増額する方針を打ち出しました。びっくり。今期の設備投資は14億円超を投じる予定と発表。売上130億円の会社が実にその売上の10%以上を設備投資に投じるという大胆な経営方針です。しかも研究開発費用も更に増額して10億円近くを投じると発表。これではさすがに減益とならざるえません。会社は『米百俵』の精神で自ら進んで減益を選択した稀有な企業と言えると思われます。この『米百俵』の精神を評価する賢明な投資家が登場して、この中期的な成長戦略を評価する見直し買いの動きが生じることに期待していてよいと考えます。しばらくは昨日申し上げたように650~630円前後で下値持ち合いにはなっても。ちなみにもし、研究開発や設備投資費用を前々期比並に抑制すると仮定すると、今期の営業益は前期仮定の14.5億円を更に上回り17億円前後に到達する計算となります。会社予想の8億円と実に9億円の違い。その9億円の違いはすべて設備投資と研究開発に投じられていることになります。もし設備投資が一巡して元の2~3億円程度に低下すると、営業益以下は劇的に増加することになります。いきなり営業益が20億円近くに激増するような局面を今後目にすることになると考えています。来期以降でしょうが。本格買いは700円回復から開始とし、強気買いは今週高値抜けと週足完全陽転の730円回復からとします(月足完全陽転も725円)。昨日のコメントを。