6254 野村マイクロ(JQ) 1092円 +52円
第3四半期ゆえに説明会やその資料など、すでにコメントした以上の直接的な手がかり材料はないものの、上方修正した3月通期予想が更に修正の可能性があるというのは売掛金の水準からも予想できます。第3四半期における売掛金は75億円です。前期末の売掛金は54億円です。前年同期は53億円。この2つとの比較においても申し分のない水準の売掛金水準と言えましょう。更にです。3か月前の第2四半期末(9月末)での売掛金も52億円です。するとです。第2四半期の売上は72億円で第3四半期売上は131億円。激増の10~12月の売上を計上してもまだ72億円の売掛金を残していることは申し分なし。製品の利益率が上昇していることと、安定的に受注が回復し始めていることの証左と判断して良いでしょう。同社の業績が安定し始めている理由の一つは収益構造の転換です。第2四半期の時点の資料を眺めてみると、15年度は水処理装置の売上46億円近くに対しメンテなどの保守サービス(ストックビジネス)の売上は28億円。今第2四半期は装置が36億円でメンテナンスなどのサービス部門が31億円の売上。ストックビジネスがやっと軌道に乗って業績の安定化がなされようとしているものと考えます。また同社もテラプローブ同様に半導体や液晶の今後の成長地域となるであろう中国台湾に重点販売を移転させています。15年度は韓国が最大の売上比率で下が、今第2四半期では中国台湾が28億円の売上、日本が27億円、韓国が13億円と大きく転換。良い販売戦略です。積極的に設備増強を行う中国台湾の半導体や液晶有機メーカーから、同社もテラプローブ同様に好調な受注を獲得できると予想します。ならば、来期も増収増益と予想しておいて良いと考えます。ちなみに今第2四半期時点の受注残高は96億円(前期は56億円)。受注残高が第2四半期で96億円で第3四半期の売掛金が72億円となると、やはり受注は引き続き好調と判断します。第2四半期資料の注目点は事業領域の拡大に関して。①中国貴州省で浄水汚水処理事業の立ち上げ(10月から送水開始)、②台湾液晶工場向けの排水回収事業開始、③レジスト剥離剤RSシリーズの本格採用に向けて製品改良と販売開拓の開始、④新規商品の拡充などを行ったとコメント。成長への小さな一歩を踏み出し始めたものと考えます。