8584 ジャックス(東1) 2805円 -34円
アコムや日立キャピタルの好決算発表を見て、同社の増収増益も確実と高をくくっていたのでが、わずかに減益で着地してしまいました。この数字をパット見た時は正直がっくりと来ました。が、しかし、決算短信のコメントを読んでいくうちに、昨日も最後に申し上げたように、私の予想が少し先走りだったかと気を取り直しました。今期減益の着地では、通期予想の達成はほぼ確実視しておいて良いだろうし、それ以上に来期以降の中期的大成長がこの減益で逆に疑いようのないものと思えるようになりました。ゆえに、もし、週明け減益を嫌気して押すようなら喜々と強気買いとします。私は、同社株をじわじわと上げて行くから時間的な欲求不満を抱えながら投資する必要があると言いました(今後大化けするとしても)。しかし、その欲求不満をいだかずに投資できる状況になるかもしれません。この日経平均の暴落で、割高な株が売られ成長と業績とのバランスの取れた株が物色されてくるようになれば、また金利上昇で内需株特に金融関連株に買いが向かうようなら、まさに同社株はすべての条件を兼ね備えているので、物色の主役になってもおかしくありません。減益の理由は東南アジア進出などで業容拡大しているために営業総債権が急拡大したために貸倒費用を積み増したから。前向きな理由で減益着地したに過ぎないということです。ちなみに、先ほど第3四半期資料を一読したのですが、内容を見るととても減益着地の企業の資料と思えないほどの充実ぶりです。この資料の詳細は来週以降にゆっくりと解説コメントを掲載します。まずは第3四半期。営業収益11%増の994億円、営業益0%減109億円、経常1%増109億円、純益6%減69億円、一株純益202円。減益と言うよりほぼ前期並みに着地と言った方が正確かもしれません。前期並みでも通期予想に対しての進捗は順調とのことです。通期予想は営業収益13%増の1357億円、営業益29%増153億円、経常29%増153億円、純益12%増98億円、一株純益284円です。さてこの数字でも満点評価と言える理由は細目を見なくても一目瞭然でわかるはずです。数字だけで。売上(営業収益)の伸び率です。クレディセゾンの今期の増収率は4%、アコムの増収率も4%、オリコの増収率は6%です。クレジットカード会社及び日立キャピタルなどのリース会社を加えたその他金融サービス企業の中で増収率が10%以上の大きな会社は多分同社だけのはずです。この急激な業績拡大のために、一時的に貸倒引き当てを積み増したために第3四半期は前期比並で着地したということ。その貸倒費用は単体で見ると前期の73億円から108億円と35億円も増加しています。これも業容及び業績拡大のための必要不可欠な決算処理作業ですから、良と考えて良いはずです。しかも同じく単体での営業費用の状況を見ると、人件費は前期比3億円減の193億円に抑制しています。10%以上の増収になる業容拡大となりながら人件費を抑制できるコスト管理能力こそ大いに評価できます。エノモトやワールドHD、MCJの経営陣と同じで堅実経営と成長との二兎を追って成功しうる資質をジャックス経営陣も有していることの証です。物件費はモノの価格が上昇しているので1億円増の309億円ながらこれも上々の管理能力。電算費は大事ですから惜しげもなく増加して5億円増の131億円。金融費用は3億円減の51億円。コストのメリハリもあり文句なしのコスト管理能力です。事業の内容は更に文句なし。詳細は来週にあらためてとしますが、今日は経営成績に関する説明だけ紹介しておきましょう・・・・・中期3か年計画の最終年度となる今期は、アセアンへの更なる進出、総合決済サービスの強化、コスト構造改革の継続、IT投資などを地道に遂行して来たとコメントとし、日本を代表する先進的コンシューマファイナンスカンパニーの実現に向けての総仕上げに取り組んでいるともコメント。まるでヴィンクス。ヴィンクスはアジアにおける流動ITのフロントランナーになるべく東南アジア進出していますが、同社もアジアにおけるコンシューマファイナンスのフロントランナーになるつもりです。親の三菱東京UFJの後押しを受けて。クレジット事業は、住宅・高級時計・バイク・家電などの扱い拡大し、輸入車や中古車の取扱高も拡大し好調とコメント。カード事業も、家電量販店・ディスカウントストアとの提携カードが好調で新規会員数が堅調に増加し、在籍会員数も順調に拡大。加えて積極的なプロモーション活動のおかげで取扱高も拡大したとコメント。キャシングは前期並みですが、これはほとんど注力していないからこれで良し。ファイナンス事業は銀行個人ローン保証は減少したものの、住宅ローンが増加して取扱高は拡大。新規事業の後払い決済サービスも利用提携先が順調に増加して取扱高当然拡大。海外事業は、ベトナム法人がバイクローン拡大などで取扱高増加。インドネシアも自動車バイクともに取扱高拡大。フィリピンも同じく取扱高拡大。事業の内容はまさに非の打ち所のない満点の状況です。来期以降の急成長の期待大であると同時に、その成長はほぼ確実でしょう。しかも、次の通期で新中期経営計画を公表するはずです。同社は堅実経営の会社ながら次の中期経営計画の数値目標はとても意欲的な数字を掲げると考えています。もし週明け2700円前後に向けて押すようなら、1月のマド2650円前後を下値と考えて2700~2650円で喜々として強気買いとします。下げないようなら静かな強気買いを静かに継続。強がるようなら賢明な投資家が腰を据えて買いに来たと考え、そのまま強気買いとします。1/30(三菱東京UFJがフィリピン投資委員会と協定締結)1/26(コツコツと上昇予想・金利上昇で収益好機到来・三菱東京UFJデジタル通貨融合の新サービス提供可能性・東南アジア進出加速・オリコやクレディセゾンと比較し割安顕著・来年には06年高値6870円トライも)1/11(第2四半期資料の第二弾/業績の現状&クレジット事業の取り組み&オートローン事業の取り組み&クレジット事業の取り組み&カード事業取り組み&ファイナンス事業取り組み&海外事業の取り組み&総括・春に中期経営計画発表へ・目標修正)12/13(第2四半期資料/サマリー&ポイント&事業部門別状況&未収債権&貸倒関連費用&総括)11/9(失望の第2四半期・減速は一時的と思う理由・概況/経営成績に関する説明・目標修正・上方修正期待しぼんだものの会社予想通りの進捗)10/10(目標修正)9/29(目標修正)9/28(5株併合で目標再設定)8/21(第1四半期セグメント状況解説)8/5(スタートダッシュに大成功第1四半期・概況・目標修正)検索チェック。目標株価Ⅰ【短期目標①3000~3050円(17年高値2997円更新)②3350~3400円(15年高値3330円更新・レシオ12倍)③3600円(レシオ13倍)】~ 目標株価Ⅱ【中長期目標①3600~3700円(レシオ13倍)②4200~4300円(レシオ15倍・一株純資産)】は今期の上方修正期待の浮上まではないのでこのまま据え置きとし、通期の新中期経営計画の数値目標や中身を確認後に強気に再設定する方針とします。SP。ところで、今日の日経にこんな記事。東南アジア新車市場が4年ぶりの高水準を記録したと。また東南アジアは日系自動車メーカーのシェアが圧倒的と。東南アジアの17年自動車販売は約336万台。そのうちの280万台が日本車。日本車を購入する際には当然ローンを組むはず。そのローンを狙って同社が三菱東京UFJの後押しを受けて東南アジア進出。今年も東南アジアの自動車販売は拡大することでしょう。ならば、同社の東南アジアの海外事業も必然的に拡大するということです。セグメント内容や資料等は来週早々にでも解説コメントを掲載します。お楽しみに。